温かいと暖かいの違いは?使い分けが気になる!
2017/11/21
うあぁ~寒いっ!!
このところの寒気のせいか、寒さもひとしお身に染みるこの頃です。
「寒い、寒い~何かあたたかいものは~・・・」とつぶやきながら、ふと気になったのが・・・あたたかい=温かい?or 暖かい?
はて、この『温かい』と『暖かい」、一体どう使い分けるんですか?
温かい飲み物・・・うんうん。
暖かい日差し・・・うんうん。
心温まる言葉・・・心暖まる言葉?
「温暖な気候」とか「地球温暖化」なんて温も暖も入っちゃってるし・・・何だかごちゃごちゃしてきました。
ふだん何となく使い分けているんですが、よく考えてみるとかなり曖昧です。
この際はっきりさせてしまおうということで、今回はこの温かいと暖かいについてリサーチしてみました~^^
あたたかい:対義語で判断すると~
息子の辞書を借りまして、『あたたかい』で調べてみましたら・・・
- 温かい
- 暖かい
ア:「物が冷たくなく、また熱すぎもせず程よい状態である」
イ:「思いやりがある」「いたわりの心がある」
ア:「寒すぎずもなく、暑すぎずもなく、調度よい気温である」
イ:「色感がやわらかく、冷たい感じがしない」」
ウ:「金銭が十分にある」(例:懐が暖かい)
気温のようにからだ全体で感じるあたたかさに「寒い」に対して「暖かい」、部分で感じたり心で感じるあたたかさに「冷たい」に対して「温かい」を書くのが普通だそうです。

あたたかいの対義語(反対語)を考えてみると当てはまるのがどちらか考えやすいということですね。
確かに、暖かい料理⇔寒い料理とはなりません。
この場合、温かい料理⇔冷たい料理!!納得です。
これをもとに使い分けていくと~
・・・こんな感じでしょうか。
でもでも、「こころあたたまる」で調べてみると「心温まる」がでてくるんですね~

心で感じることだから「心寒い」に対して「心温まる」なんでしょうか?
さらに・・・「冷める(さめる)」の対義語は「暖まる(あたたまる)」です。
どうやら必ずしも、温かい⇔冷たい、暖かい⇔寒いという判別方法が当てはまるわけでもないようです。
言葉は「国語」だ!
どうもはっきりしなくて、いろいろ調べてたんですが、ハッと気づいたことが・・・

暖かいと温かいは漢字が違うけど同じ読み方・・・こういう言葉を「異字同訓」って言うんですよね。
そこから手繰って調べていくと、ありました!!
文化庁の文化審議会国語分科会の資料の中に『「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)平成26年2月21日』というのがあったんですよ。
その中にバッチリ載ってました!!
要は、「暖かい」の方は主に気象や気温に関することに使う。後はまあ、「温かい」で対応みたいな感じでしょうか。
その線で考えると、「温暖な気候」などは「温かく暖かい気候」で、地球温暖化は「地球が温められて暖かい状態になる」というように意味分けして考えられなくもない。
さらに、この報告の前書きには、同訓の漢字の使い分けに関して明確に使い分けを示すことが難しいところがあることや、年代差や個人差、いろいろな分野での表記習慣の違い等もあるから、この使い分け例は、一つの参考としてみて下さいって書かれてました。

「懐が暖かい」なんていうのは、この分け方だと完全に例外的ですよね。
まとめ
今回『温かい・暖かい(あたたかい)』という言葉について調べてみたんですが、ざっくりまとめるとこんな感じでしょうか。
- 暖かい=気象・気温に関すること、対義語の「寒い」で判断する。
- 温かい=その他のこと、対義語の「冷たい」で判断する。
但し、例外的な使い方もあり!
ふだん何となく使い分けていましたが、確かめてみると、なるほどなぁと改めて言葉の面白さを感じたことでした。
(ほかにも、歌・唄・詩とか、堅い・固い・硬いなんかも気になるんですよね~^^)
漢字と訓読みでひらがなを使うからこんな面倒なことになるんでしょうが、さらにカタカナ、ローマ字まで使いこなす日本語って実はすごいんじゃない・・・。
それに加えて、地域やそれぞれの人、時代によっても言葉の使い方や意味が違っていたり変化していますよね~。
近頃よく耳にする「やばい」なんて言葉、私の感覚では「非常にまずい、よろしくない状態」なんですが、反対に「すご~い」という意味で使われていたりしてますもんね。
何だか果てのない問題のような気がしてきましたが、少なくとも「温かい」と「暖かい」はこれからは意識して使い分けできそうなkomidoriでした。