睡眠と学習の関係は?良質な睡眠は記憶力アップにつながる!
2016/07/30
試験や受験に向けての勉強、ご苦労様です!
たくさんの知識を記憶し、身に付けていくことは楽なことじゃないですよね。
komidori息子もそれなりにがんばっているんですが、母としてちょっと気になっているのが、夜更かし勉強・・・
σ(´-ε-`)ウーン…ヨクナインジャナイノカナァ・・・
最近の脳科学では、記憶と睡眠の間には密接な関係があり、そのリズムを上手く利用することで、記憶力アップができることがはっきりしてきたとか・・・
これってやっぱりうまく利用したいですよね~
ということで、
今回は、睡眠と学習の関係!成績アップにつながる睡眠についてまとめてみました~(^^♪
目次
睡眠中に記憶がアップする仕組みは?
私達の睡眠には、脳が休息するための『ノンレム睡眠』と夢を見てい状態の『レム睡眠』の2種類の睡眠があります。
この2つの睡眠が1セット、約1時間半(90分)で、これを繰り返しているんですね。
しかし、1セット約90分の割合が、一晩中同じというわけではなく、ノンレム睡眠が多くなる時と、レム睡眠が多くなる時とがあるんです。
上の図で分かるように、眠り始め、睡眠前半の1、2セット目は、『ノンレム睡眠(ピンクの部分)』が優位です。
これは、脳を休めるための睡眠で、睡眠段階4レベルの深いノンレム睡眠中は、ぐっすり寝入って、脳がしっかり休んだ状態なので、少々揺すったくらいでは目覚めません。
この睡眠の間に脂肪や糖の代謝に関わる成長ホルモンも多量に分泌されています。
睡眠の後半、3,4セット目になると、脳がある程度活動「夢」を見ている睡眠『レム睡眠(青い部分)』が増えてきます。
また、ノンレンム睡眠も浅い状態のものになってきます。
一晩の間でも、睡眠の状態は時間の経過とともに深くなったり、浅くなったりと変化しており、それによって行われる記憶の処理が違っているのです。
■ 睡眠中に行われる記憶の処理
実は、睡眠の状態によって脳内で行われる記憶の処理が3種類あるんです。
- 深いノンレム睡眠時:「いやな記憶」を消去する。
- 浅いノンレム睡眠時:手順記憶を定着すると共に、記憶の結合を行う。
手順記憶というのは、字の書き方や自転車の乗り方、スポーツの技術など、何かをする際の技術や手順を身につけることです。
また、記憶を結合するというのは、色々な記憶を相互に関連づけることです。
例えば、何かのゲームをしていて、Aさんがポイントを1点獲得、Bさんがポイントを10点獲得してチームが勝利した場合など、Bさんのポイント獲得によって、チームが勝利したというような、Bさんと勝利の関連が結合して記憶されます。
要するに、浅いノンレム睡眠がないと、勝利したのが、誰のポイントによるものなのかというような関連が記憶されないわけです。 - レム睡眠時:エピソード記憶を定着する。
夢を見ているレム睡眠の時の記憶処理
また、意味記憶も含めて今までに記憶したことと関連づけ、次回記憶を想起する際にスムーズに出来るように「索引」を付ける作業も行われます。
このように、良質の睡眠を取ることが、記憶を定着させたり、恐怖の記憶など忘れた方がよい記憶を消したりすることが明らかにされています。
■ 記憶力を最大限に引き出す睡眠時間
個人差はありますが、最適な睡眠時間は6時間あるいは7時間半です。
これは、上の睡眠のリズムから導き出されていることです。
睡眠の前半では深いノンレム睡眠が出現し、後半で浅いノンレム睡眠が出現していましたね。
布団に入った後、寝つきよく深い眠りに入ると、昼間に経験した恐怖などの「嫌な記憶(嫌な感覚)」が消されて心が落ち着きます。
その後、3,4セット目で浅いノンレム睡眠による手順の記憶や関連付けが行われたり、レム睡眠による記憶の定着が行われます。
睡眠時間が3,4時間など短いと、浅いノンレム睡眠が取れなくなり、昼間一生懸命練習したことが身につかず、色々な出来事の関連情報も記憶されません。
また、朝方の長いレム睡眠も取れないため、記憶の定着や記憶の索引付けも出来なくなってしまいます。
学習したことや記憶したいことなどをしっかり定着させていくためには、この睡眠のリズムを使った睡眠時間は外せないんですね~
■ 良質な睡眠には夜の過ごし方がポイント
さあ、6時間寝るぞ~っと気合が入っても・・・
なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くてたっぷり眠った気がしない、何てこともありますよね~
そんな睡眠では、疲れとれず、記憶も今ひとつ定着しにくいですね。
それは、睡眠ホルモンと言われる『メラトニン』の分泌をよくすることです。
メラトニンは自然に深い眠りに入ることができるように体温を下げ、身体をお休みモードに調節してくれる働きをします。
- 夜8時以降は、強い光に当たらないようにする。
普通の家庭の室内照明の300ルクス程度の光なら大丈夫ですが、1,000ルクスを超えるようなコンビニの照明などはよくありません。
強い光を浴びることはメラトニンの分泌を抑えてしまいます。 - 寝る2時間前ぐらいからは、部屋を暗くしておく。
勉強や読書の明かりも昼光色の蛍光灯ではなく、電球色のものを使うようにするといいようです。
メラトニンは光の青色成分に強く抑制されてしまいます。パソコンやスマホの明かりなどもNGです。 - 寝る1時間前までには入浴をすませる。
メラトニンは体温を下げ、身体を眠りにつきやすい状態にしてくれるのですが、寝る前に入浴すると、体温が上昇してしまいメラトニンの効果がなくなってしまいます。 - 寝る2、3時間前には食事をすませる。
夜遅い時間での食事や夜食などは、消化で内臓が活発に動くため、眠りが深まりません。 - 寝る前の2、3時間にはコーヒーや緑茶などのカフェインの入った飲み物は飲まない。
実は、いい睡眠は朝から始まる!
私達の身体は、地球の自転の24時間周期に合わせて動く体内時計を持っています。
いい睡眠をとるためには、この体内時計のリズムが重要なんです。
この約24時間周期のリズムを『概日リズム(サーカディアンリズム)』といいます。
体内時計が乱れると、『概日リズム(サーカディアンリズム)』が崩れ、さまざまな生体リズムも乱れてしまいます。
その概日リズムに大きく左右されているのが『睡眠ホルモン:メラトニン』なのです。
メラトニンは朝起きてから光を浴びると体内時計のリセットにより分泌が一旦止まります。
そして、14~16時間後に自然に分泌が始まり、身体を休眠モードに調節し、睡眠に入りやすい状態を作ってくれるのです。
これは、私達人間が昼行性の生き物だからなんです。
朝、光を浴びてメラトニンの代わりに『覚醒ホルモン:セロトニン』が分泌されて、活動的に過ごし、丁度14~16時間後、暗くなり夜に入る頃にメラトニンの分泌が始まるというわけです。
ということは、朝起きる時間が結構重要ですね!
『早寝早起きで規則正しい生活を』とよく言われているのは、このことからなんです。
夜更かし型で、疲労感があったり、能率が上がらないように感じている方は、睡眠時間のとり方を見直してみてはどうでしょう。
まとめ
日本人の睡眠傾向の調査によると、1960年から2005年までの45年間で、平日の就寝時刻が小学生で60分、高校生で80分、40歳代で90分遅くなっているそうです。
確実に日本の生活は夜型にシフトしてきてますよね~。
実質の睡眠時間も1時間近くも減少しているということで、睡眠の質が下がってきていることが心配されています。
睡眠の状態が良くないということは、私達が本来持っている記憶力を充分に使えないということになりますよね。
肥満や老化、糖尿病など生活習慣病にも影響があるようです・・・
ちょっとその辺も、調べてみないとな~と思うkomidoriでした。
生体が本来持っているリズムを大切にしたいですね。
良い睡眠、取ってくださいね!